03 君の笑顔と赤い花畑


- 7 -

 本当のことをついに告げた幸村は、胸を怯えさざめかせながらも抱き締めた腕を放すことはしなかった。
 独り善がりな選択だと罵られても構わない。自分と同じ想いを彼が抱えていなくても良い。けれど今まで元就がくれた全てを、幸村にはどうしても捨てられなかった。
 たとえ逃げ出し、拒絶することで幸村が自由になれたとしても。受け止めてくれた彼を、生かしてくれた彼の手を、忘れて生きていくなんて器用で卑怯な真似がどうしてできようか。
 居場所を失った自分に残されたたった一つの拠り所を、自らの手で切り離せるはずがないというのに。

「知って、いただと?」

 胸元で低く呟かれた振動を感じながら、幸村は首を縦にした。
 驚愕を隠せずに瞠目したままの元就を見下ろす。
 自分の背筋が恐怖で粟立っていることを覚えながら、抱いた腕から伝わった彼の強張りに同種のものを感じた。
 拒絶への恐れか、偽った罪悪感か。それとも、現実を直視しなければならないことへの怯えか。
 そうして心を縮こませるのは自分ばかりだと考えていたが、相手も表面に浮かび上がった真実を知ることが本当は怖かったのではないかとふと思う。
 先程の元就の激昂は愚かな自分への怒りではなく、身を犠牲にしてまで元就を守ろうと決めてしまったことへの嘆きだった。
 自分に対して強要などしたことのない元就が、初めて口にした些細な願望。
 ――彼は、幸村がもう何者にも縛れない世界を望んでいたのだ。

「初めは本当に分からなかったでござる。でも目が見えるようになって貴方を認識した時、嫌な感情など一片も浮かばなかった」

 元就を傷付けたことが耐え切れなくて。伸ばした手が誰に触れたのか理解していながら口付けを贈ったのだと、幸村はとつとつと語る。
 お互い話題に触れなかったあの時のことを思い出したのか、元就がびくりと震えた。その反応は汚らわしい行為を嫌ってなのか、認識していながら接吻を施したことへの驚きなのか、幸村には窺えない。
 けれど、少しだけ分かったことがある。
 今、元就は自分の作り出した腕の中から逃げようとしない。昨夜の情交での元就は半兵衛に抵抗を見せていたというのに、幸村の側からは自ら離れてくれない。だからといって身体を離せば、元就は素直に解放させてくれる。じっと挙動を観察しているというのに、決して縋るような言葉も行動も彼は幸村には示さなかった。
 ただ好きにしろと、お前が選べと、いつだって元就は幸村に言ってくれた。
 きっといつも――自由になってと願う想いを潜ませて。

 幸村は元就を想うが余り、離れなくてはいけないのではと何度も考えた。側にずっといたいと願うたびに、現実は切なく突き刺さる。何も出来ない自分は、元就の重荷になってばかり。纏う鎧を失った幸村には、分かっていても彼へと依存していく愚かな自分を止められなかった。
 自分を匿ってしまったことで元就を失うのではと想像したのは、一度や二度ではないというのに。
 彼も同じ事を考えていたのだという事実が、嬉しいと思う反面とても悲しかった。
 幸村を想う元就もまたこの二律背反を抱えていたのだ。半兵衛の圧力を受けながらも、今の今まで幸村に気付かせなかった彼は今、どんな気持ちなのだろう。
 どんな気持ちで、隠しきれなかった自分の勝手な想いを聞いているのだろうか。

「嘘だ……!!」

 弾かれたように元就が幸村の身体を突き飛ばした。
 慌てて相手の方を見やった幸村は、今の状況に既視感を覚えた。
 先程まで赤くなっていた元就の顔色は一気に青褪め、頼りない肩が戦慄いている。長い前髪で隠された目元は幸村の方を向いているというのに、視線が定まらず虚空を見上げていた。
 口付けた直後の様子と良く似ている。
 腹の奥底から絞り出されるような元就の悲痛な声を聞きながら、幸村は震える自分の拳を握りこんだ。

「貴様が我の何を欲するというのだ? 父も兄も弟も息子も、我が“毛利元就”であることを本心では望んでいなかったというのに? 毛利を守ることさえも許されなかった我を、誰にも必要とされていない我を、身代わりとしても役立たずだった我を、一体誰が求めるというのだ!?」

 暗い瞳は虚ろに沈み、硝子玉のように幸村を映し出すばかりだ。
 嘲笑うような口調を響かせながらも無表情のまま、唇を動かす元就に幸村は冷たい汗を感じる。
 こんな状態の人間が何を見つめているのか幸村は痛いほど知っていた。他でもない、自分自身が常に胸に巣食わせている。
 重く圧し掛かるそれは、冷たくて粘ついた闇。

「嘘だ嘘だ嘘だ……」

 何かから逃げるように身体を丸める元就が、やけに小さく思える。不安定に歪む彼から目を逸らさず、幸村はそっと手を伸ばす。
 ごめんなさいと嘆く、自分とそっくりな影が幸村には重なって見えた。

「嘘ではございません。貴方に隠し事をするのは、本当に苦しい。苦しくて……辛いのです」

 ぼやける視界を必死で留めながらも、溢れていくものを止めることができずに幸村は元就の肩に顔を押し付けた。
 温かく濡れていく感触に元就ははっと息を呑んだが、幸村は顔を上げることができなかった。
 混乱しているのは元就だというのに、此処に来てからは壊れっぱなしの涙腺は弛んだままで自分がやけにみっともない。
 彼の涙が流れ出しているのだと告げたのはどれ位前の事だったろうか。
 憔悴しているというのに泣けない元就を見ていると、いつだって幸村の胸は苦しくなった。自分と同じようなものを抱えているから同調しやすいのだろうかと思っていたが、それは少し違うようだ。
 切なくて苦しいから。今のように、元就のことを想って押し潰されそうになるから。
 そんな気持ちを、隠せないからだ――。

「……毛利は豊臣に屈した。我を差し出して、生き延びた」

 唐突に、掠れ気味の声音が幸村の耳元を擽る。
 それはかつて元就が見た瀬戸の海での悪夢の記憶だった。

「毛利には我は要らなかった。だが我には毛利が必要だった……生きていくには、必要だったから」
「はい」

 涙声を噛み締めながら、そっと幸村は元就の後頭部を撫でた。
 かつて彼がしてくれたことを見よう見まねしながら、静かに話を聞く。

「従わなければ毛利を潰すと。我が死を許されるのは、自分が死ぬ時なのだと、竹中に言われ、ずっとここで抱かれてきた」
「……はい」

 微かに込み上げた怒りを抑えつけて、蘇った昨夜の光景を慌てて振り払う。
 苦い思いがわだかまることを感じながら少し顔を上げると、琥珀色の瞳が宙を彷徨いながら俯いていた。

「浅ましくも、我は毛利を守るためだと大義名分を言い訳にして、奴に身体を売った。毛利にとっては我など最早不要だというのに。我はこんなにまで汚れても、まだ存在意義に縋って無意味に生きている」

 死ぬことは許されないというのに、生きていたいとも思わない居心地の悪さ。ぐらつく己の地盤の脆さを何度嘲り、何度罵ったことだろうか。
 幸村も元就もその虚しい行為を幾度も繰り返してきた。そんな自身の弱さを、幸村は自覚しながらも求められることで相殺し、元就は感覚を麻痺させて気付こうとしなかった。
 結局二人は皮肉にも、自らを構成する世界を壊されてようやく一人の人間同士として向かい合った。
 一人ではいられなかったから。自己の存在を誰かに確かめてもらいたかったから。だからこそ出会い、惹かれてしまったのかもしれない。

「無様な体たらくを晒して、今度は貴様の足を引っ張る。忌々しいこの身なぞいっそ消えてしまえば良いのに」
「俺には貴方が必要だ!」

 肩口から顔を勢いよく上げた幸村は、必死な形相で元就の視線を自分の方へと向けさせる。頬に触れた男の手に驚き、元就の目の焦点が現実へと引き戻される。
 自分がいなくなればと呟いた元就に、幸村は血の気が引くような恐怖が全身に駆け巡ることを感じていた。
 元就の手を振り払ってしまったあの時よりもずっと重くなった得体の知れない何かが、奥底でどろりと轟く。

「俺は今を不幸だなんて思いませぬ。貴方が此処にいるから。俺という存在を真っ直ぐに見てくれた貴方がいたから。貴方が誰であれ、俺にとっての“毛利元就”は貴方でしか在り得ない!」

 戦場で見た、血に塗れた冷酷な武将も。
 古寺で出会った、穏やかに自分を守ってくれた日頼も。
 目の前で泣くことを堪えるようにしながら、幸村を見つめている彼も。
 紛れもなく幸村だけが知っている毛利元就でしかない。
 否定するにはもはや戻れないほどの、大きな想いと共に胸の中に住んでしまった唯一の存在なのだ。

「幸村。我の側にいると、お前はきっと死ぬぞ。今なら間に合う。だから――」

 最後まで聞きたくなくて、幸村は元就を再び抱き締めた。
 相容れない存在だから離れれば良かったのに、と戻ってきた幸村に対して元就は叫んだ。
 そんな単純な関係であれば、こんなにまで迷うはずがなかったというのに。
 深く突き詰めて考えなければ決して不純な想いに気付かず、やがてはこの場所から旅立つことだってできたはずだ。
 けれど、もう己の本当の想いは暴かれている。幸村自身が潜んでいた真実を見つけてしまったのだから。
 元就はそれっきり口を噤み、幸村の腕の中で大人しくしていた。

 少しだけ血が上っていた幸村は冷静さを取り戻すにつれ、情交の痕が残る元就の様子に気付き、彼を抱え上げて場所を移した。
 内側に存在する黒い何かの轟きは治まらず、あの部屋にいつまでもいれば何をするか分からないと本能的に危険を感じていたからだ。
 井戸の前に元就を降ろし、簡単に身体を拭ってもらう。
 外に出ると肌寒い空気が身を刺して、ようやく幸村は自分の湿った着衣に気付いた。薄着の元就のために羽織を見繕うついでに着替え、彼の元へ再び戻った。元就は文句も言わずに黙ってそれを受け取った。

「毛利殿、見せたい物がございます」

 ようやく落ち着いたところで、幸村は言葉を選びながら切り出した。
 互いの考えを一方的にぶつけ合った先程の会話は、感情的になりすぎて正しく伝えられなかった。元就の本心を垣間見られたものの、想いばかりが先走って告げなくてはいけない言葉はまだ発せずにいる。 
 こちらを一瞥した元就もまた冷静さを取り戻したのか、頷いた様子が視界の端に映った。
 自分達は長く共にいながらも、肝心な事を喋っていない。寂しさを埋め合うばかりで、本心を語る言葉があまりにも少なかった。
 元就もきっと分かっていたのだろう。

 歩くのが辛い元就の手を引いて、幸村は山を登る。二人の足で進んでいかなければ意味が無いと互いに感じ取っていた。
 あの花畑は、はたして二人にとって離別の場所になるのか――それとも。


 昨日と同じ道を通っているというのに、景色がまるで違って見えるのは元就が側にいるからだろうか。
 あの白い花畑に辿り着いた幸村は、眼前に広がっている光景に見入っていた元就へと振り返る。

「不思議でござろう? 彼岸花が白いなんて」
「ああ。だが不自然ではないな。むしろ美しいとも思える」

 以前と変わらない穏やかな会話に、幸村は泣きたくなる。
 やはり元就は元就なのだ。自分が好きになってしまったのは彼なのだと、こんな時に自覚する。

「毛利殿」

 本当の名で呼びかけると、元就は僅かに眉を顰めて目を伏せる。
 事実を告げることは、元就にこんな顔をさせたいがためではなかった。微かな戸惑いが幸村の中に生まれたが、既に腹は括っている。嫌われようが今の関係が崩れようが、言葉にしなければならないと決めたのだ。
 告げられないまま別れてしまう恐ろしさを、身を持って知っているからこそ。
 だからこそ伝えなくてはいけない。

「某は嫉妬しました。貴方が他の誰かに抱かれているなんて、考えるだけでこの身を焦がしそうになったでござる。あの時我が手に太刀があったとすれば、あの男に斬りかかっていたかもしれぬ」

 驚愕した様子で己を凝視する元就に、幸村は苦笑を返す。
 感じていた殺意の矛先は自分ではなかったのだと元就は知った。
 荒れ狂う波のように幸村の中を駆け巡った衝動は、愛しさゆえ。好意を抱いた者が他人によって喘ぐ様を望む者はいないだろう。元就を道具のように扱う半兵衛でさえも、微かな嫉妬心を幸村に感じていたのだから。
 ――そうして、はたと気付く。
 幸村の好きだという感情が、限りなく男女の恋慕によく似ていることに。

「貴方をお慕い申し上げております。まやかしだとしても、勘違いだとしても、それでもこの気持ちは自分の中の真実だから」

 先程も告げた言葉をもう一度、ゆっくりと想いを乗せて紡ぎ出す。
 自分の想いが偽りではないと教えるように、そして、だからこそ元就から半兵衛を引き剥がすような条件を提示したのだと伝える。
 絶句して自分を見上げてくる元就に、幸村はただ静かに微笑んだ。
 元就が気に病むことなど何も無いのだ。
 半兵衛が元就にこれ以上触れるのが嫌だと感じたのも、紛れも無く幸村自身の意思。出陣と交換条件でしか相手は飲み込まないだろうと分かっていたからこそ、告げた決意だったのだから。

「正気なのか?」

 怯えるように元就は呟く。信じることを知らず、一人ぼっちの寂しさを理解していなかった彼の瞳が、不安げに揺れている。
 虚勢を張り続けていた彼の脆い内側。同じような弱さを抱えていた幸村と同じ温度の、哀しくて優しい部分。
 幸村は元就のその心と、ずっと触れ合ってきた。自らが奥底で飼っている重苦しい闇と共に。

「本当は視力が治ったと知られたら、きっと貴方は某と以前のように接してくれないだろうと怖かったのです。でも本心をどうしても伝えたかった。貴方と離れてしまう前に……」

 はっとして息を呑んだ相手に、苦笑を浮かべながら幸村は近付いていく。
 傾いた太陽の光を浴びて、彼の柔らかな髪が焔のように輝いた。

「毛利元就としての貴方も、日頼としての貴方も、自分自身が選んだ貴方という存在。ここに咲く花のように、色は違えどその本質には何の変わりもありませぬ」

 そっと頬に差し伸べた手を、呆然と元就が見つめている。
 元就の身も心も穢れているというのならば、自分も同等だと幸村は思う。屠った命も、踏み台にした命も、記憶に刻まれている分だけ数えたってきりが無い。
 それでも生きていたいと、今は思えるのだ。
 少しでも長く元就の傍らにいたいと、ほんの少しでも彼の笑顔が守れるならと、汚れているこんな小さな手でも思ってしまうのだ。

「自らこの穢れた檻に入ろうというのか、幸村」

 瞠目したまま元就は震える声音で尋ねた。
 自分の自由を切に願っている彼の心を知ってしまった幸村にとって、その問いは愚問にも等しい。幸村を構築する世界が此処にある限り、場所が何処だろうが関係はないと分かってしまったから。
 だから、幸村は微笑んだ。
 元就に求められた自分だけの笑顔を捧げるように。

「綺麗だろうが汚れていようが、貴方だからこそ共にいたいだけです」

 風が花畑を大きく揺らし、草木のざわめきだけが静寂を切り裂いていく。冬が近付き傾くのが早くなった太陽が、花畑を照らし上げた。
 白い花弁が色付き始め、昨日と同じように幻想的な姿へと変わりゆく。二人を包んでいた世界も段々と黄昏へ染まり、互いの影が赤い海へと長く伸びていった。
 互いの息遣いさえも聞こえなくなった世界の中で、幸村は元就だけを見つめる。
 足元が震えていた。相手の頬に触れた指先が、悴むように動かない。怖くて怖くて溜まらない。
 無言の否定でも、いつものようにはぐらかされても構わない。けれど傷付くことに身構えている心につられて、身体は正直に反応していた。
 それでも、幸村は笑う。
 元就の隣で笑っていたいと、自分自身で望んだから。ささやかな願いが叶わぬものだとしても、これが自分の出した答えなのだから。

「馬鹿な、選択だな」

 ぽつりと呟いた元就は、口の端を歪ませて幸村から視線を逸らす。
 ――嗚呼、これで終わった。
 俯いた幸村はぐらつきそうになる足を支えながら、吐息を一つ漏らした。すると視界の端に何かが光ったことに気付き、目線を少しだけ上げてみる。

「愚か者は愚か者同士、同じことばかりを堂々巡りで考えていたのだな……」

 溜息と共に漏らされた小さな一言が、確かに聞こえた。
 信じられない思いで元就を見上げた幸村は、目の前の光景に驚愕して声を失う。
 音もなく風に散っていく透明の雫が、いつからか沈み始めた西日に照らされて煌いている。寄せていた掌に伝う濡れた感触は、冷たい空気の中で奇妙なほど熱く感じられる。
 幸村から逸らされた瞳の端で滲んでいた涙が、静かに流れていた。

「も、毛利殿、某っ」
「少し黙っておれ」

 途端に手を放して慌てだした幸村が可笑しくて、元就は笑みを浮かべる。
 苦笑でも嘲笑でもなく。ただ彼が感じた想いを素直に表現しただろう、自然な笑顔。それを初めて間近で見ることが叶った幸村は、身体が火照る感覚を知った。
 衝動的に強く抱き締めた腕を、元就は嫌がることなく受け入れる。傍らに存在する幸村に安堵の息を漏らし、濡れた睫を乱暴に拭いながらそっと背中に手を回した。
 元就は上気した幸村に小さく笑い、見せたかったこの景色をじっと眺めている。
 白い海は赤い海へと変貌を遂げ、西風に煽られる。異形の白の姿で生まれてきたこの花も、紅蓮に染まれば他の物と同じだ。そしてこの時間帯が終わってしまえば、元の色へと戻るだけ。赤だろうが白だろうが彼岸花という本質は何ら変わっていない。

「ねぇ毛利殿。話して下さい。何でも良い、貴方の話をお聞かせ下さい」

 沢山、話がしたかった。知らなかったことも知っていることも、元就のことも自分のことも。本当の気持ちも。寂しかった思い出も。懺悔や自責なんかじゃなくて、互いを見つめるために二人で話したかった。
 幸村はくぐもった返事を胸元で感じ取り、いつの間にか溢れていた涙を流しながら笑んだ。
 燃えていた茜色の光が花畑を優しく包み込み、やがて訪れる夜を待ちながら山の向こうへと消えていく。
 今の二人にとってその赤い世界は、最早禍々しいものではなかった。



Next→

(2008/03/29)



←Back