++ 「異端生物」の世界観


 世界は、三つの大陸からなっています。
 西方に位置する「西の大地」、中央に位置する「中央大陸」、南西に位置する「暗黒大陸」です。
 それぞれは地続きとなっていますが、気候や文化が著しく異なり、生態系もまた変化に富んでいます。
 小さな島も多くあり、最も東方にある島「最果ての島」、南東にある島々「南海諸島」などがあげられます。

 主な生息種族は、人間・魔物・その他の生物に分けられます。
 人間と魔物はほぼ同数いると言われていますが、中には全滅の一途を辿る魔物もいます。
 魔物は、人語を解し人型を成して生活ができるので、多くが人間社会に紛れ込んでいます。もちろん、姿を変えられない者や俗世から離れて生活する者もいます。
 対する人間は「異端審問会」を設立し、年々その支配下を広げています。特に大陸の西側は、審問会の勢力圏だと言われています。
 太古から共存をしてきた東側の国では、宗教上の対立からも、審問会の影響をあまり受けていません。
 また、審問会の設立以前には西の大地一帯を治める王国があったとされ、滅亡した今でもその影響力は審問会を揺るがしています。

 人間が魔物を恐れ、魔物が人から隠れ、両者の間には深い溝が生まれています。
 その溝は埋められるものなのか。物語の中で、その答えは明らかになっていくことでしょう。






++ 「異端生物」を彩る登場人物


シエナ -Siena-
  性根が真っ直ぐな少年。思い立ったら即行動に移す、無鉄砲な一面も。世界を知るべく旅に出た。

サラ -Sara-
  運河の町の少女。同じ年頃のシエナに好意を持つ、図書館の娘。明るく活発だが思慮深い。

フォード -Ford-
  北の山の麓に住む植物学者。端麗な容姿に温和な性格だが、怒りに駆られると周りが見えなくなる。

ディラ -Deala-
  過去、異端審問会の裁判によって命を落とした青年。若くして達観している面を持つ。

ローレン -Lawren-
  医者の卵だった少年。幼く見えるが、その瞳には殺伐とした空虚な色が灯されている。

フリードリヒ -Friedrich-
  元孤児の町医者。懺悔の日々を送りながらも、弱い自分に決別し生き続けることを決意した。

ソフィア -Sophia-
  宿屋の従業員で明るく気立ての良い娘。フォードに意味ありげな視線を送っているようす。

エル -Ell-
  ソフィアの友人で雑貨屋を営んでいる。少々謎めいているがさっぱりとした性格の女性。

ハーヴィ -Harvey-
  黒の司祭の異名を持つ異端審問官。無差別に残虐的な裁判を行うことで有名。

ジル -Jill-
  各地を流浪している考古学者。大らかで面倒見が良く、子供好き。神出鬼没。




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